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消毒って使ってOK?アルコール高配合ハンドジェルの広告表示

2020年12月7日

こんにちはー。

ドラッグストアもスーパーも、いっときの品薄状態から随分とアルコール配合のハンドジェル商品が充実してきましたね。

国内製造品から輸入品まで、いろんなメーカーから多種多様な商品が投入されています。アルコール高配合=消毒用とつい思ってしまうかもしれませんが、実は消毒って言えない商品もたくさんあるんですよ。

たぶんそういった商品は広告やパッケージに「消毒」とは書いていないハズ。

今回はアルコール配合商品の種類別に解説していきます。

アルコール配合製品の種類

まず、お店に流通するアルコール配合商品は大きく分けて「指定医薬部外品」「化粧品」「雑貨」の3つのカテゴリーが存在します。(厳密には医薬部外品も存在しますが、今回大まかな解説にするため、医薬部外品については省略しています)

この内消毒効果を謳えるのは、「指定医薬部外品」だけなんですね。化粧品や雑貨では広告やパッケージに「消毒」と言えないんです。なので、なんとか消毒出来るイメージを想起させられるよう、工夫している商品が多く見受けられます。

「消毒」が言える指定医薬部外品

指定医薬部外品は、化粧品や雑貨とは違い、医薬品医療機器等法に基づき承認を受けた有効成分が配合されています。

なので、効能効果として堂々と「消毒」が言えるんです。

ただし、配合する有効成分量の範囲が決められていて、それをきちんと守って製造しPMDAと呼ばれる機関で承認を得る必要があります。

店頭で指定医薬部外品として販売されているハンドジェルは、「外皮消毒剤」としてPMDAから承認を受けているため、効能効果としてて手指の洗浄・消毒を標ぼう出来ます。

大手メーカーのハンドジェルは指定医薬部外品のケースが多いですね。

新型コロナの感染拡大が爆発的に進むにつれて、アルコール配合商品を作りたいけど、消毒って書けないから困っているという相談をいただくことが、仕事柄多くなりました。

なぜかというと、指定医薬部外品にしようとすると、処方作成からPMDAへの申請・承認等に時間がかかってしまい、なるべく早く市場に投入したいというクライアントの要望が叶わないんですね。

そこでどうするかというと、化粧品や雑貨で販売しようということになります。「消毒」って言えないのに?と思われた方、その通りです。

言えないけど、なんとか雰囲気で伝えようという戦略になるんです。

「消毒」が言えない化粧品・雑貨

いきなりですが、ここで1つクイズです。

アルコール配合商品において、化粧品と雑貨では言えることが大きく違います。それは何でしょうか?

答えは、「除菌」「抗菌」です!

化粧品は菌やウイルスに対する効果を標ぼうすることが出来ません。しかし、雑貨は「除菌」「抗菌」が言えちゃうんです。

キッチン用のアルコールスプレーや、ウェットシートなどに良く「除菌」や「抗菌」が使われていますよね。

じゃあ化粧品よりも雑貨で売るのがベストじゃん!って思うのは早いです。

雑貨でネックになるのは、物に対する効果としてしか言えないってことなんですよ。

手肌に使うってストレートに言えないんです。なのでハンドジェルという商品名は、手肌に使うものと誤認させてしまうためNGです。

さらに、「除菌」はあくまで拭き取りなどにより物理的に菌を拭い去る効果として言えるので、塗るだけで除菌出来るって言ってしまうと、それって殺菌だよね?って話になってしまうんですね。もちろん殺菌は雑貨では言えません。

化粧品は「除菌」「抗菌」は言えないけれど、ハンドジェルって名称を使ったり、保湿など手肌への効果を標ぼうすることが出来ます。

消毒効果を匂わせたいのであれば、「アルコール高配合」「アルコール○%」のように、アルコールが多く含まれていることを言うだけでもなんとなく伝わりますよね。

それにプラスして「保湿成分配合」や「○○で手肌すっきり(収れん成分)」といった言葉を組み合わせれば、消毒・洗浄・手肌に優しいといった印象を与えることも可能です。

化粧品も雑貨もそれぞれに魅力的にみせる方法があるので、あとは発売までにかけられる日数やコスト、申請手続きetc...様々な制約を踏まえ、自社にとって最適な手段を各社とられています。

一時期は韓国から輸入販売していたアルコール配合ハンドジェルが、パッケージに記載していたアルコール含有量と実際の含有量が全然違っていたとして、措置命令を受けたものもありました。

もし輸入品を販売する際は、念のため国内の試験機関でアルコール含有量を確認しておくのが安心ですよ。

これから冬に向けてアルコール配合のハンドジェルは引き続き需要があると思うので、これから参入する方はぜひ広告やパッケージの表示に気をつけてくださいね。

次回はダイエットサポートサプリの広告表示について書こうかなと思っています。

ではではまたー。

Photo by Kelly Sikkema on Unsplash

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