景品表示法 薬機法

NMNサプリの薬機法違反に対する行政の反応は多分こんなかんじ

2020年11月29日

こんにちはー。

ワードプレスへの移行作業に思いのほか手間取っていて、サイトのカスタマイズだけで1ヶ月近くを費やしてしまいました。

その間に、例のNMNサプリ界隈がわーわー盛り上がっていて、あちゃーという感じでチェックしていたのですが、個人が健康食品事業に安易に手を出すとこうなるよねって感じでさほど驚きはしなかったです。

問題視された広告や原料については、色んな方が指摘をしていらっしゃるので、今回は通報を受けた薬務課や消費者庁がどのような動きをしそうかを予想してみました。

薬機法では?

まず薬務課ですが、おそらく水面下での指導レベルでとどまるだろうと思われます。

私は普段広告法務の仕事をしているため、全国の指導事例や逮捕事例を随時チェックしています。

未承認医薬品販売をしたとして都道府県から公表されるケースは、大抵が医薬品成分を含有した健康食品を販売したものなんですね。

例えば最近だと、ED治療薬などに使われる有効成分を配合した健康食品のケース↓

医薬品成分を含有する製品の発見|東京都今般、以下の2製品の成分検査を行ったところ、いずれも医薬品成分である「タダラフィル」が検出されました。www.metro.tokyo.lg.jp

タダラフィルという医薬品成分は、通常成人に対する用法・用量が1日1回10mgとされているのですが、問題となった商品は倍以上の量が配合されていたので、健康被害が発生する恐れが…。

ちなみに、タダラフィル以外にもシルデナフィルといった成分も、未承認医薬品に頻繁に使用されていて、都道府県から公表されるケースで非常によく見かけます。

いずれのケースも、医薬品の有効成分を医薬品以上に配合していたという、かなり悪質なものなので、指導や回収指示を行ったうえで公表されているんですね。

で、今回問題視されたNMNサプリも、たしかに広告表現には大いに問題があったと思われます。

ですが、配合原料は医薬品の有効成分ではないため、よほど粗悪な原料であるなど健康被害が発生する恐れがあるものでない限りは、水面下での指導で終わるのではと予想しています。

景品表示法では?

では消費者庁はどうかというと、こちらも指導になるかならないかといったところでしょうか。

サプリで抗老化やアンチエイジングをうたった場合、景品表示法の観点から根拠資料があるのかを問われます。

ここで合理的な根拠を提出し、それが消費者庁も納得する内容である場合は、不問となりますが、抗老化の証明はまず無理と考えた方がいいでしょう。

そもそも抗老化や若返りの証明なんて出来ないですよ!怒怒怒

動物実験によるエビデンスがあったとしても、人間で同じ結果が得られるとは限らない&そもそも若返りの実験ってできるの?という感じがします。

ちなみに医薬品的効果をうたっているとして薬機法違反とみなされた場合は、そちらを踏まえ、景品表示法でも虚偽表示とみなされる可能性大

今回問題視されたNMNサプリは、おそらく多くの方から消費者庁へ相談がいっているかもしれません。

ですが、それに対し消費者庁がすぐに動くかというと、ちょっと厳しいように思います。

なぜかというと、消費者庁に年間寄せられる相談件数って、1万2千件とかなんですよ。そして、その中で調査に入るのが数百件、措置命令までいくのが数十件というレベルなんですね。

さらに、今年は新型コロナウイルスへの効果を標ぼうしていた健康食品の販売事業者への改善指導が3回に渡って行われましたが、こちらも事業者名の公表はなく水面下で行い、指導件数と結果のみ公表されています。

これらを踏まえると、消費者庁のリソースに限りがあり、また、優先して監視指導すべきとしている案件が多く存在することから、NMNサプリにすぐに対応とは考えにくいです。

ただ、NMNサプリを取り扱っている事業者が今以上に多くなり、さらに違反表示が目立つようになってくると、調査を進める可能性はあります。

また、健康被害が発生した場合、その調査からはじまり最終的に措置命令に発展するケースも最近見かけるので、消費者からの健康被害相談が多く寄せられれば、そこから動く可能性も十分ありますよ。

なので、消費者庁に相談してもすぐに動かないなら意味ないのかなとは思わずに、悪質な広告表示だと思ったらキャプチャなどを保存しておき、下記フォームから連絡してみるのもひとつの手だと思います。

景品表示法違反被疑情報提供フォーム | 消費者庁www.caa.go.jp

余談〜行政こわい〜

水面下での指導で済むんだったら、事業者はわりとやりたい放題できてしまうじゃん!と思われるかもしれませんが、行政ってそんなに甘くはないんですよ。

たしかに表向きは何も無いように見えていても、水面下で調査が進んでいて思わぬタイミングでいきなり連絡してくるor 押しかけてくるなんてことはザラにあります。

わりと悪質で有名な健康食品の通販会社を数年間泳がせておいて、ある日突然アポなしで消費者庁の職員が団体でやってきたなんていう話も聞くので、常日頃から広告表示に気をつけておくのが懸命です。

ではではー。

Photo by Daily Nouri on Unsplash

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

においフェチ

広告法務の中の人。においフェチ。 最近のヒットはLe Couvent des Minimesのアクアマジェスタエ。好きなにおいをくんかくんかしてる時が至福。 twitterは時事ネタや日常業務の小ネタなどを呟いてますー。

-景品表示法, 薬機法

error: Content is protected !!

© 2021 広告法務のあれやこれや